あとがき


完結しました。

37話まではまだ、幸せそうな感じであるのに、最終話読んだ途端、真っ暗に真っさかさまになりました。

ルークがシンクとミュウという、仲間とはまた違う絆を得て、

心に余裕が出て、穏やかになれたのはいいんですけど……。

ルークが行ってきたことの断片を知った仲間達がどん底後悔です。

ごめん、楽しかった。(笑顔)

しかも、ミュウとイオンが壊れてます。

ミュウは泣きながら寿命を全うするでしょう。

イオンは本当はすぐにでも後を追いかけたいのですが、死ぬなと言われた以上、

死ぬまでは生きなければならないと、壊れたまま生きるでしょうね。

多分、もう殆ど誰も信用できないと思います、彼。

レプリカの寿命がどれくらいかは知りませんが、そこそこに生きた後、

誰にも文句の言えない死因が出来たとき、多分イオンは心から笑います。

ああやっとルークの元に行ける、と言って。

うわ、暗い。

えーと、壊れちゃったってことで。(適当っ)

多分、自分はアクゼリュスで庇うことができたはずなのに出来なくて、

それからもちらほら助けてくれているのに、会えない。

何で、どうして、の積み重ねの中、あの再会です。

「罪を背負うのは俺だけでいい」

これも、二年しか生きていないイオン様には、重すぎたんです。

罪ってなんだろう、とまだ考えている最中だったと思うんですよね、イオン様。

混乱の中、でもルークが大好きで死んで欲しくなくて、でも何も出来なくて。

そして失った時、イオン様は多分人間(レプリカ含む)として生きることを捨ててしまいました。

ってイオン様が一番かわいそうですね、これ。

ごめん、イオン。


ルークが頑張ったおかげで、ほとんど人死んでません。魔物との戦闘シーンもほとんどカット、

まともに書いたのはラスボスヴァン戦のみ。

そして、死んだのはルークとヴァンのみ。

音譜帯に行っても多分会えません。

ローレライ様が会わせてくれません。

てか、ヴァンは音譜帯にいるかどうかも謎だ。

六神将は捕縛されましたが、することを見つけたら多分逃げ出します。

リグレットは多分、頼るものが何もなくなって、ヴァンを弔ってひっそり暮らすと思います。

バダックもといラルゴは、ルークにああは言われたけど、今更って感じなんで、

シルヴィアの冥福とナタリアの幸せを思いながら、やはりひっそりと暮らすのではないでしょうか。

アリエッタは多分、イオンからレプリカ云々を聞いた後、最後まで仕えると思います。

帰る場所、ないし……。

違うイオン様だけど、何となく見放せなかった、って感じでしょうか。

あのイオンだしなあ。

他、ルークを本当に知っている人たちは、バカな子どもだったな、とか思いながら、ゆっくりと眠れることを祈ってると思います。


よっしゃ回ってきたぜ、シンクのターン。(ガッツポーズ)

シンクに愛が偏りすぎて、もうちょっと暗い話になるはずが、ちょっと上向き方向になりました。

シンクの存在に、ルークが結構救われちゃちゃいました。

どんだけ自分シンク好きなんだが現れてるかと。

この作品は基本ルーク視点と言う中、閑話で二回もシンク視点が入ってます。

これは半分シンクが成長する話であるとも言えますね。

最初は自分はレプリカで空っぽで生きる価値がないということに、異様なまでに固執していました。

でないと、自分を保てなかったのではないかと。

何でもいいから、することとか生きている理由が欲しかったんですよ。

シンクだって二歳児ですからね。

そこをルークが説得してくれました。

俺達はここにいる、人間として生きている、空っぽなんかじゃないって。

あの辺り難産。

というより、シンクが成長していくところはほとんど難産です。

大変だったんです。

話がずれないように、おかしなところがないように、でもシンクには生きていて欲しい。

結果、ちょっとずれましたが。(意味なし)

途中まではまだなあなあで過ごしてたんですけど、ルークを見ているうちに、自分はこれでいいのかって、

ルークはきちんと人間として生きているのにって。

最終的には、自分は何が出来るだろう、ということを考え続けることに落ち着きます。

まず、ルークの旅を、一番近いところで見届けようと。

その次に、自分と重なった生まれたてのレプリカたちを助けようと。

ルークに教えて貰ったことを、彼らにも伝えていこうと。

それが、ルークの道を見届けると決めた自分の義務だろうと。

シンクの余生は充実していると思います。

したいことしたい放題なわけですからね。

それで、成長したレプリカたちを見届け、彼らに見送られながら音譜帯できっとルークと再会です。

何のしがらみもなくなったルークに、もう一度会いたいと。

アンタの生きた道は無駄じゃなかったよと伝えたいと。

シンクの望みはそれだと思います。

あれ、でもルークは眠りっぱなしでしょうか。


ローレライのターンです。

ルークを生き返らせて好き放題やらせた割には薄情かと思われるかもしれません。

しかし、裏設定が一つ。

ていうか本編に後で書き加えようか設定。

ローレライは、大爆発を防ぐことが出来なかったんです。

逆行ということはできたけれど、人間が作った法則に逆らえませんでした。

それは、預言に逆らえないことに通じます。

この辺りは、違う設定の方で詳しく説明します。

そっちでは預言とか創世暦とかガンガン捏造予定なので。

では戻って大爆発。

ルークは最初の夢兼通信でそれを知りました。

どんなに頑張っても、それが起きてしまえば自分は記憶をアッシュの中に残して消えてしまう。

それがいやだと。

この記憶を、自分の記憶を持ったまま、眠りたい。

それが、ルークが最後にあんな形での死を選んだ理由の一つです。

アッシュより先に、体が全乖離してしまえばのっとる体もないわけですからね。

そんな感じでルークが力の限り戦うのをローレライは見届け、眠りについたルークを守ります。

お前の望みがこれならば、我はもう何も言うまい的な感じです。

悟った傍観者的イメージですね、ここのローレライは。


ラスト、ルークのターン。

どうしよう、もう何語ればいいか分からない。

ルークの心情描写は、当然ですが作中で一番多いですからね。

理由なんかも一番出ているわけです。

仲間達が知らないだけ。

悲しんで欲しくなかった、生きていて欲しかった、幸せになって欲しかった。

守りたい、助けたい、救いたい、預言を変えたい、未来を繋ぎたい。

ルークの行動理由はたったのこれだけです。

これだけというには重いかもしれませんが、言葉にしてみると少ない。

そして、その中に生きたい、が組み込まれていないのがミソですかね。

理由はもう前述したので省略。


ぶっちゃけてまとめちゃうと、この話はルーク(と私)の自己満足冒険記。

自分のやりたいことだけやって、眠っちゃうわけですからね。

作中で、人間のすることなんて、すべては自己満足だろ、という問いがでてきます。

これに答える人はもういないというのは、ゲームをプレイすれば……サブイベントをやれば分かります。

確か「ナタリアにできること」でした。

そこでティアが、例え自己満足でも、それが多くの人の賛同を得た時、

それは自己満足の域を抜けるのではないか、と言います。

でも、ルークの自己満足は誰にも同意を受けていませんね。

(自己犠牲に同意がないのは当たり前でしょうか)

それでもいいから、独りよがりでもいいから。

自分が生きた軌跡を、自分の望みを叶えることで残したい。

はい、結論終了です。

導き出した結論をやりきったルークが眠りにつくことで、物語は閉じました。

こんな作品ですが、一人でも多くの人が、ルークたちの生き方に何か思ってくれれば嬉しいです。

それではまたいつか、別の世界(作品)でお会いしましょう。

ここまで読んでくださった全ての方に感謝します。


                                蓮華