お、ようやくオレの番か。 オレはなー、聞いて驚け、みんな。 今、この時代でも馬と一緒なんだぜ。 ……なんだよ、その目は。 え? 自己紹介で言ってたって? あー、ちくしょう、失敗したなあ。 まあとにかく、一緒なんだよ。 オレの家は、馬育ててる農家なんだ。 何ていうか、競馬に出る馬とか、どっかの歴史村の馬車を引いたりする馬とかを育ててる。 ついでに、農作業。 いいんだよ、オレは農作業より馬といるほうが好きなんだから。 父さんや清八……ああ、清八もいるんだぜ。 うちで働いてる。 みんなも馬の方が好きだって言ってたし。 オレらが出会ったみたいに、運命なのかもしれないな? はいはい、分かってるって。 オレは最初から記憶あったぜ。 と言っても、生まれた時のことはあんま覚えてない。 記憶はあったんだけど、こう、意識がぼやけてる感じ。 はっきり記憶があるのは……父さんに背負われて、馬に乗ってる時かな。 昔の小さい頃もよくそうしてたから、なんだか懐かしかった。 それから周りを色々認識してきて…… また、一人で馬に乗れるようになった辺りで、はっきりしてきた。 そのくらいから、探せばみんなもいるのかなー、とぼんやり思っててさ。 そんな時に、学園から馬の要請が来たんだよ。 なんでも今度、馬術を取り入れたいとかで。 多分、いつもの学園長の思い付きだと思うぜ。 その時にオレも学園長の名前知ってさ、そりゃあ驚いた。 その後、馬を連れて行くのに付いて行って、直接学園長に会ったんだけど、 姿も声も全く変わってないもんだから、一瞬学園長先生って呼びそうになったぜ。 だよな、きり丸。 でもまあ、その時絶対に、この学園に入ろうって思ったんだよ。 何つうか、オレも勘みたいなもんだけど、ここに来たら、絶対みんなに会えると思った。 やっぱ運命じゃね? 何だかクサいけどさ。 この先なー、どうするかなー。 とりあえず馬といたいんだけど。 うるせー、しょうがないだろ。 生まれた時からずーっと馬と一緒にいると、もう家族同然なんだよ。 とりあえず、家業を引き継ぐことになるのかな。 と、すると。 喜三太と同じように生物学か、農業学ぶのに農学、になっかな。 それとも農場経営のために経済学か。 とりあえず、オレももう少し考えて決めるわ。 あ、そうそう。 オレの農場遠いからさ、オレも寮なんだよ。 てことでよろしくな、喜三太、金吾。 なんだよ、伊助、その顔は。 ちゃんとするするって! 昔とは違うんだから、洗濯物ぐらい! ……みんなして何だ、その冷たい目は! 虎若まで! お前が人のこと言えるのか! くっそー、ぐれてやるー。 おら、次庄左!