ぼくの番だね!

ぼくもねえ、ゆーっくり思い出して行ったんだよ。

でも、思い出したときのことはあんまり覚えてないんだ。

いいじゃない、別に。

みんなに会えたんだから。

ぼくの家はね、ペットショップなんだー。

ナメさんは売ってないんだけど。

当たり前なの?

ナメさん売ってないの?

……。

……うん。

でもね、お父さんは、ナメさん飼うの許してくれたの。

命はみんな同じなんだから、大事に育ててくれるなら良いって。

うん、嬉しかったよ。

だから、ぼくの家にはペットとか、ナメさんとかたくさんいるんだ。

失礼だな、金吾。

ちゃんとしつけてるよ。

ナメさんのための部屋が一つあるんだから。

え、何か違うって?

そうかなあ。

ぼくは獣遁や虫遁が得意だったから、お店のペットにもよく話しかけてるよ。

何となくは、言いたいことが分かるし。

みんな、いい飼い主さんが来てくれるのを待ってるみたい。

うん、来るといいなあ。

ぼくの場合はね、お父さんが、ここは動物にも理解が深いからって、学園を推してくれたんだ。

お父さんも行ってたんだって。

学園長先生がやってるってことは知らなかったけれど……みんなに会えて良かったよ。

家は遠いよ?

ぼくも、隣の県にあるんだ。

今は寮にいるの。

……どうしたの、金吾。

失礼だなあ。

ちゃんと、部屋のナメちゃんたちには壺から出ないように言ってあるよ。

当たり前じゃない。

ぼくの友達だもの。

え、なんでみんなそんな顔するのさ。

だよねえ、しんべヱ。

うん、今度遊びに来てね。

あ、ありがとう、美味しいよー。

将来?

うーん、うーん、うーん……。

お父さんのペットショップを継ぎたいかなあ。

そのためにはどこに行けばいいんだろう?

生物を学べばいいんじゃないかって?

そう……なのかな?

そうだね、今度お父さんに聞いてみるよ。

なんだか、いっぱい話したら疲れちゃったよ。

兵太夫、お茶、おかわり。

ありがとうー。

それじゃ、次は金吾だね。