風たちの説明


全員の共通点


実体はなく、殆どの人間には影も形も見えず、声も聞こえない。

風を統べる存在である終は、実体というよりは気配のようなものを感じ取って、

“そこ”に“誰が”いるのかが分かる。

終は声も聞こえる。

大体全員、常に空中にいる。

風を使って何かを動かしたり、風そのものをぶつけたり、カマイタチを撃ったりできる。

風で声(音)を散らしたり、散らした声(音)を集めることも出来る。

それぞれの力が及ぶ範囲全体に、風たちの意識が浸透している。

範囲内に力を及ぼすのは、人間で言う手を動かすような動作。

風同士で範囲が被り、同時に力を行使した場合は、及ぼす力の強いほうが制御権を得る。


補足


力が最も強いのは、終に当たる。

風を統べる存在であるが故。

今はまだ力が未熟なので、他の風たちのように風を操ることはできない。


舞(まい)


終が最初に出会った風。女性人格。

終とは終が小学校の時からの付き合いで、色々諸事情の末に知り合いになった。

常に、竜堂家から少し離れた山の、頂上辺りにいる。

三人の中では最も長生きで年長の風で、一番落ち着きと分別がある。

終をわが子のようにかわいがっている。

終も母のように思っている。

風としての力は、ちょうど千と影の中間くらい。

一人称、私。終を「終」と呼ぶ。


千(せん)


終が二番目に会った風。男性人格。

終とは終が中学に入った頃からの付き合いで、舞の紹介で知り合いになった。

世界中を旅しているので、実は一番終と会話する回数が少ない。

ふらりと日本にやってきては、舞や終と会話してまた去っていく風来坊。

楽しいもの・ことを好む、お気楽マイペースな性格で、一番終と気が合う。

終も友達のように思っている。

風としての力は、一番力が及ぶ範囲が狭く、馬力が強い。

弱いソニックビームが撃てる。

一人称、俺。終を「終」と呼ぶ。


影(えい)


終が三番目に会った風。男性人格。

終が中学卒業の頃に、風の卵のようなものから孵されて、生まれ出でた。

自分を孵してくれた終に忠誠を誓っていて、常に終の傍にいる。

大変まじめで、終を常に中心に置いて考えているため、少々厳しい兄達(始、続)が嫌い。

終の命で、普段は何も喋らずに黙々と終に付き従っている。

終は友人として接したいのだが、頑固な影はあくまで主従として傍にいると言って譲らない。

風としての力は、一番力が及ぶ範囲が広く、馬力が弱い。

と言っても、カマイタチを放ったり、それなりのものを運ぶ力ぐらいはある。

一人称、私。終を「終様」または「主」と呼ぶ。